研究部会連合発表会優秀講演賞(2014年)

日本応用数理学会では、研究部会連合発表会の講演登壇者から優れた発表をした方を、「研究部会連合発表会優秀講演賞」受賞者として表彰しています。
2014年は、以下の方が受賞されました(敬称略、50音順)。
表彰式は、総会において行われます。

受賞者 受賞講演について
土屋 翔一
(東京理科大学 理学部第1部, 現在: 慶應義塾大学 理工学部)

[講演題目]

Halin graphのLovász・Plummer予想について

[講演概要]

Halinは、cycleと次数2の頂点を持たないtreeから構成されるHalin graphを定義した。 既存研究で、Halin graph上の巡回セールスマン問題(TSP)は多項式時間解を持つことなどが示されている。 そのため、spanning Halin subgraphを持つグラフの特定が望まれていたが、1975年にLovászとPlummerが立てた「任意の 4-連結平面三角形分割はspanning Halin subgraphを持つ。」という予想ですら未解決であった。 本講演では、次数2の頂点を持たないtreeの構造に着目し、Lovászたちの予想が成立しないことを示した。

藤原 宏志
(京都大学大学院 情報学研究科 複雑系科学専攻)

[講演題目]

生体内での光拡散現象に対する数値的手法の比較

[講演概要]

医学分野や脳科学において近赤外光をもちいる生体活動のモニタリング技術が注目を浴びており、発表者を含む研究グループはその高精度・高信頼な数値計算のために輻射輸送方程式の直接数値計算法を提案している。 本講演では提案法が従来の拡散近似法に比して高精度であること、および提案法が大規模計算でも有用であることを、数値解析理論、観測モデルの考察、数値実験とファントム実験の比較により示した。