研究部会連合発表会優秀講演賞(2022年)

受賞者 受賞講演について
相原 研輔
(あいはら けんすけ)
(東京都市大学情報工学部情報科学科)

[講演題目]

ブロックLanczos型反復法の精度改善に向けた相互作用型残差スムージング

[講演概要]

ブロックLanczos型反復法は複数右辺ベクトルをもつ連立一次方程式に有効であるが,残差ノルムの振動により近似解精度が大きく劣化する場合があるため,これを改善する残差スムージングを提案した.本手法は,近年考案されたスムージング前後の反復列が相互作用するスキームを基盤とするが,パラメータを行列で定め,また補助行列の直交化により数値的安定化を図った新しい形式である.丸め誤差解析と数値実験により高い有効性を示した.

大城 泰平
(おおき たいへい)
(東京大学大学院情報理工学系研究科)

[講演題目]

分数線形マトロイドパリティに対する非可換階数を用いた代数的アルゴリズム

[講演概要]

二部・一般マッチングおよび線形マトロイド交叉・パリティ問題といった離散最適化問題は,変数を含む行列の階数を計算する問題として表現できる.本講演では,線形マトロイドパリティ問題の連続緩和である分数線形マトロイドパリティ問題に対して,通常の階数の非可換拡張である「非可換階数」を用いた行列表現を与えた.また,本行列表現を探索決定帰着と組み合わせ,問題の最適解を出力する高速な乱択アルゴリズムを設計した.

米倉 晴紀
(よねくら はるき)
(大阪大学大学院情報科学研究科情報ネットワーク学専攻)

[講演題目]

Multi-agent modelとphase-fieldモデルによる血管新生シミュレーション

[講演概要]

Multi-agent modelとphase-fieldモデルによる血管新生シミュレーションの数値計算結果を示した.当該モデルではtip cell及びstalk cellの区別をせず個々の細胞を粒子としてモデル化し,fibronectinはAlen-Cahn方程式としてモデルを設計した.そしてVEGFおよびBevacizumabの濃度勾配に応じて粒子が移動し血管が生成される様子を紹介した.