3研究部会等による連続研究会

日程
11月24日(水)~26日(金)
会場
国立情報学研究所 12階1208室, 1210室 (50人収容)
本文 日本応用数理学会の行列・固有値問題の解法とその応用,計算の品質,科学技術計算と数値解析の3部会,および,若手の会の企画により,3日連続開催の研究集会を開催させていただきます.

詳細は決まり次第ご連絡いたします.

以上,ふるってご参加のご検討をお願いします.
2010年11月24日(水) ■行列・固有値問題の解法とその応用 単独研究会

概要:
行列・固有値問題の解法とその応用部会の単独研究会です.
一般講演を公募します.
日程(予定):
9月24日(金) 発表受付開始
10月22日 (金) 発表申込締切
照会先:
行列・固有値問題の解法とその応用 主査 片桐孝洋
katagiri__AT__cc.u-tokyo.ac.jp
研究部会web
2010年11月25日(木)
10:00-17:30
■日本応用数理学会 若手の会 単独研究会

概要:
日本応用数理学会 若手の会の企画による,気鋭の若手研究者(学生を含む),企業の若手研究者にによる,招待講演を中心とした研究集会です.
若手の会は,40歳未満の若手研究者を中心に構成され, 大学院生などの若手研究者および企業研究者の交流を目的に,平成22年に新設された準研究部会です.

本研究会の参加費は無料となっております.
事前登録もありませんので,ふるってご参加ください.

照会先:
若手の会メーリングリスト: jsiam-wakate-kanji__AT__oishi.info.waseda.ac.jp
若手の会web

懇親会も同日行いますので,こちらもふるってお申し込みください.

宛先:katagiri__AT__cc.u-tokyo.ac.jp
締め切り:11月17日(水)
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件名:若手の会 懇親会参加(11月25日(木))
お名前:
ご所属:
若手の会 懇親会(11月25日(木))へ参加します.
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●プログラム
9:30 - 受け付け開始

10:00-10:10 はじめに
日本応用数理学会 若手の会
幹事長 片桐孝洋

10:10-10:55 (45分) 特別招待講演1
東京工業大学学術国際情報センター 丸山直也
タイトル:
「ステンシル計算を対象とした大規模GPUクラスタ向け自動並列化フレームワーク」
概要:
GPUによる種々のアプリケーションの高速化が示されているが,それらの実アプリケーションへの応用には依然として非常に煩雑かつ高度なプログラミングが要求される. 特にGPUを搭載した計算ノードからなるGPUクラスタではそのメモリ階層の複雑さ,および異種プロセッサ構成によりプログラマに対する負担が大きい. 我々は構造格子アプリケーションを対象とし,そのようなアーキテクチャの複雑さを隠蔽するフレームワークを研究開発している. 本講演では同フレームワークの設計と実装,および現状の性能について紹介する.

11:00-11:30 招待講演1
芝浦工業大学/JST 尾崎克久,東京女子大学/JST 荻田武史,
早稲田大学/JST 大石進一
タイトル:
「高精度な行列積の計算法と精度保証への応用」
概要
本講演ではBLASのgemmに代表される高速・高並列化効率な関数を利用しながら,通常の倍精度計算よりも精度の良い結果を得る行列積の計算法について述べる. 提案手法はLevel 3 Fraction (行列積の計算量/アルゴリズム全体の計算量)が非常に高いので,高速な行列積関数からパフォーマンスの恩恵を非常に受けられる. また,提案したアルゴリズムを区間演算(精度保証)に応用する方法についても述べる.

11:30-12:00 招待講演2
富士通(株)次世代テクニカルコンピューティング開発本部 山崎崇史
タイトル:
「Greenの定理による拘束条件を用いた流体構造連成手法」
概要:
流体構造連成問題で有効な手段であるALEでは,大変形問題でメッシュ制御の破綻によりシミュレーションが止まる可能性がある. そこで,血流中を大きく変位する生体弁への適用を念頭に,メッシュの整合性に依存しない連成手法の開発を行う. 本手法は,連成境界上に定義するLagrange未定乗数によって,流体と構造の運動の関連付けを行い,圧力と流速を修飾し,圧力と速度勾配の要素内不連続性を表現するものである. 講演では,拘束条件の詳細と実装を紹介する.

12:00-13:00 昼休み

13:00-13:45 (45分) 特別招待講演2
三菱化学科学技術研究センター Gao QI
タイトル:
「フラグメント軌道法(FMO)を用いた生体分子系のNMR化学シフトについての
理論研究」
概要:
生体分子のNMR化学シフトを有効に予測するためにFMO-basedの化学シフト計算法を三つ開発した. それらは"FMO-NMR","FMO(merged) NMR"と"FMO(merged) NMR with multipole"法である. "FMO-NMR"法は妥当な精度で従来の量子化学計算法の結果を再現できる. 計算精度を向上するために,merged fragmentという概念を導入し"FMO(merged) NMR"法を開発した. "FMO(merged) NMR"法は極めて高い精度で従来の量子化学計算結果を再現できる. さらに"FMO(merged) NMR"法の計算コストを低減するために,"FMO(merged) NMR with multipole"法を開発した. "FMO(merged) NMR with multipole"法は多重極展開で merged fragment周囲の静電的環境を表現することによって,低計算コストかつ高精度で従来の量子化学計算結果を再現できる.

13:45-14:00 休憩

14:00-14:30 招待講演3
横浜国立大学大学院工学研究院 倉光君郎
タイトル:
「大学における新しいプログラミング言語の創造」
概要:
Konohaは,2006年より横浜国立大学において開発を行なっている新しいプログラミング言語である. 本講演では,Konoha開発の経験から,大学におけるオープンソース開発から研究資金調達まで,ソフトウェア開発を主軸においた研究の進め方,失敗談などを紹介する予定である.

14:30-15:00 招待講演4
理化学研究所情報基盤センター 中田真秀
タイトル:
「mpack 0.6.7:高精度線形代数演算パッケージとその応用」
概要:
線形代数演算は高精度に解くことは重要である. 私はそこで高精度なBLASやLAPACKであるmpackの開発を行っている(http://mplapack.sourceforge.net/). 2010/8/20にリリースした0.6.7の紹介と,半正定値計画に応用した例を示す. 変数行列の条件数が最適解に近づくに連れ発散してゆく様が観察できた.

15:00-15:30 招待講演5
東京大学大学院 情報理工学系研究科 小林佑輔
タイトル:
「点素パス問題に対するアルゴリズム」
概要:
グラフ上に複数の頂点対が与えられたときに,互いに頂点を共有しないパスで指定頂点対を結ぶ問題を点素パス問題という. 点素パス問題は,交通網設計やVLSI設計などへの応用を動機として盛んに研究されており,現在ではグラフアルゴリズムにおける重要な問題と認識されている. 本発表では,点素パスに関連する様々な問題の計算複雑度や効率的アルゴリズムについて紹介する.

15:30-15:45 休憩

15:45-16:15 招待講演6
(株)富士通研究所ITシステム研究所デザインイノベーション研究部 岩根秀直
タイトル:
「数値数式 QE によるものづくりへの多目的最適化の適用」
概要:
ものづくりにおける設計問題など理工学・産業上の高額な問題は,最適化問題として定式化される. それらを処理する技術は,現在のところ数値計算技術がベースとなっている. しかし,実用上重要な多くの問題が数値的計算法では取り扱いが困難な非凸問題になっていることが明らかになっている. 本講演では,数式処理による最適化の基本となる QE (Quantifier Elimination) を紹介し,ものづくりへの適用事例により本手法の有効性を示す.

16:15-16:45 招待講演7
早稲田大学理工学術院 劉雪峰
タイトル:
Verified evaluation of eigenvalues for elliptic operator over arbitrary polygonal domain
任意多角形領域上での楕円型作用素の精度保証付き評価
ABSTRACT:
Starting from an early work of G. Birkhoff (1966), we proposed a new framework to give guaranteed estimation for leading $n$-th eigenvalue on arbitrary polygonal domain, where the finite element method(FEM) is used to give approximate eigenvalues with computable error bounds. In case the domain is non-convex one with reentry corner, the eigenfunction may not belong $H^2$ space, which brings much difficulty for eigenvalue estimation.
To solve such problems, we successfully used hypercircle equation to build a posteriori estimation using only up to 1-order derivatives of functions.
By showing several computation results, including the case of $L$-shaped domain, we will demonstrate the efficiency of proposed method.

16:45-17:15 招待講演8
日立製作所中央研究所 柳井孝介
タイトル:
MapReduceを用いた木構造データのための並列分析処理フレームワーク
Parallel Data Analysis Framework for Tree-structured Data using MapReduce
概要:
木構造データを分析処理するためのフレームワークを提案する. 提案するフレームワークでは,垂直分割データ格納方式により木構造データを管理する. 即ち,木構造データを属性ごとに分割し,別々のファイルにデータを保存する. これにより属性の数が多い木構造データを扱うことが可能となる. また大規模のデータに対し分析処理を実行可能とするため,MapReduce アーキテクチャに基づく並列処理を行う. 評価実験により,属性の追加や属性値の集計のような典型的な分析処理に対して,提案するフレームワークが有用であることを示す.

17:15-17:30 おわりに
日本応用数理学会 若手の会
副幹事長 荻田 武史

18:00~ 懇親会__AT__神保町周辺
2010年11月26日(金)
9:00-18:00(予定)
■3部会連携「応用数理セミナー」
概要:
「行列・固有値問題の解法とその応用」,「計算の品質」,「科学技術計算と数値解析」 の3部会が連携し,学部学生・大学院生,企業の研究者・技術者を対象にした,「応用数理セミナー」を実施します.

・行列演算のGPU化
・連立一次方程式に対する Krylov 部分空間反復法
・精度保証付き数値計算の基礎
・スペクトル法と多倍長計算の基礎
に関する内容がセミナー形式で講演されます.

なお各テーマ,初心者向きの内容を意識しておりますので, 分野外の方も気軽にご参加いただけます.

参加費無料となっております.
なお事前登録なしですが, 予稿集の数に限りがありますので,ご参加の方は以下の情報をお送りください.

締め切り:11月12日(金)
宛先:katagiri__AT__cc.u-tokyo.ac.jp
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件名: 3部会連携応用数理セミナー予稿集予約(11月26日(金))
お名前:
ご所属:
3部会連携応用数理セミナー(11月26日(金))へ参加します
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●プログラム
・8時40~9時00分: 受付

・9時00分 開始のあいさつ
行列・固有値問題の解法とその応用 研究部会 主査
東京大学 片桐孝洋

・9時00分~12時00分【行列・固有値問題の解法とその応用 部会】
9時00分~10時30分
講師:大島聡史(東大・情報基盤センター)
題目:GPGPUの基礎と行列計算への活用
概要:現在,個人用のPCからスーパーコンピュータまで様々な計算機環境 において,GPGPUが注目され,また広く利用されつつある.非常に高い理論演算 性能を持つGPUではあるが,GPUを自分の持つアプリケーションに活用するため にはGPGPU用の言語やライブラリを用いたプログラミングが必要である. さらに,高い演算性能を発揮するためにはGPUに適した問題に対して最適な 実装を行う必要がある.
本講演では,GPGPUプログラミングの基礎や最適化の基本的な戦略について, 基本的な行列計算を題材として解説する.

10時30分~12時00分
講師:多田野寛人(筑波大・システム情報工学)
題目:連立一次方程式に対する Krylov 部分空間反復法と Block 版解法の数値的性質と実装法
概要:連立一次方程式の反復解法として,Krylov 部分空間反復法が 幅広く用いられており,係数行列の対称・非対称性に応じて様々な解法 が提案されている. 本セミナーでは 様々な Krylov 部分空間反復法を紹介し,複数右辺 ベクトルをもつ場合の解法である Block Krylov 部分空間反復法に ついても解説する.さらに,Block 版の解法の数値的性質,及び マルチコア環境における効率的な実装法についても述べる.

・12時00分~13時00分 昼休み

・13時00分~15時15分【計算の品質 部会】(2時間15分)
題目:精度保証付き数値計算の紹介

13時00分~13時45分(45分)
講師:尾崎克久(芝浦工大・システム理工学部)
題目:精度保証付き数値計算の基礎

13時45分~14時30分(45分)
講師:山中脩也(早稲田大学・理工学術院)
題目:精度保証付き数値計算(1)

14時30分~15時15分(45分)
講師:劉雪峰(早稲田大学・理工学術院)
題目:精度保証付き数値計算(2)
概要:本セッションでは精度保証付き数値計算の紹介を行う. 具体的には,数値計算の結果の正しさを定量的に 求めるための方法論・アルゴリズム・実装方法について説明する. 本セッションは,3件の講演から構成される. 1件目は,精度保証付き数値計算の基礎について できるだけわかりやすく述べる. 2件目は,精度保証付き数値計算アルゴリズムの 実装について述べ,実例を用いて紹介する. 3件目は,有限要素法の誤差解析や,それを応用した 精度保証付きソフトウェア等について述べる.

・15時15分~15時30分 休憩

・15時30分~17時50分【科学技術計算と数値解析 部会】(2時間20分)
講師:藤原宏志(京大・情報学)
題目:スペクトル法と多倍長計算による高精度数値計算
概要:本講義では,偏微分方程式の高精度数値計算を目的として, スペクトル法にもとづく離散化手法および多倍長計算を紹介する. 近年の計算機の高性能化に支えられ,従来は数値的取り扱いが困難とされて いた問題に対して様々な取り組みが提案されている.例えば,不安定性を有す る問題は,計算誤差の増大のために高精度な数値的取り扱いは不可能であると されていた.しかし,高精度離散化と多倍長計算により実現される高精度数値 計算をもちいることで,問題の不安定性を保つような数値的に不安定なスキー ムの扱いが可能となり,信頼性の高い数値計算が実現される. 講義は,計算誤差についての基礎的な解説から始める.次に,高精度離散化 であるスペクトル法を述べる.偏微分方程式の離散化になじみのない聴衆を想 定し,具体的に微分方程式の離散化を扱う予定である.さらに,講演者らが開 発している多倍長計算環境とその利用法を紹介する.

・17時50分 終わりの言葉
計算の品質 研究部会 主査
早稲田大学 大石進一
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●照会先:
応用数理セミナー 幹事 片桐孝洋
katagiri__AT__cc.u-tokyo.ac.jp
懇親会について 11月24日(水)夕刻より,行列・固有値問題の解法とその応用部会単独研究会,若手の会単独研究会, 3部会連携「応用数理セミナー」の合同懇親会を,国立情報学研究所で開催します.
ご参加される場合は

宛先: mepa2010__AT__ist.aichi-pu.ac.jp
締め切り:11月17日(水)
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件名:連続研究会 合同懇親会参加(11月24日(水))
お名前:
ご所属:
連続研究会 合同懇親会(11月24日(水))へ参加します.
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としてお申し込みください. なお,懇親会費は 4000円の予定です.

お問い合わせ先

片桐孝洋
e-mail: katagiri__AT__cc.u-tokyo.ac.jp