研究会

AI・データ利活用研究会 第112回

関連性
共催
日程
2026年 8月21日(金) 18:00-20:00
会場
オンライン開催

講演者

岩尾 忠重 氏(高知大学 IoP共創センター 教授/株式会社 高知IoPプラス 代表取締役)

 

講演題目
前例か、前歴か — i.i.d. が壊れる場所のAI

講演概要
大規模言語モデルは、人類が書いた膨大な文章から「型」を学び、文脈に最もよく当てはまる続きを埋めます。この方式は、データが大量にあり、分布が定常で、使う場面が学習範囲の内側にある限り、きわめて強力です。しかしその足元には、機械学習の教科書の一行目にある仮定 ── 独立同分布(i.i.d.)、言い換えれば「世界は毎回まっさらだ」という前提があります。
生き物は、まっさらではありません。ゆずの木は昨年たくさん実らせると、今年は休みます。同じ気象から逆の収量が出る以上、入力から出力への関数としては原理的に書けません。足りないのはデータ量ではなく、状態と時間発展です。さらに厄介なのは、i.i.d. が我々の「賢さの測り方」にも入り込んでいることです。温室の制御実験では、一手ごとに採点すると最高点をとった反応型のAIが、閉ループで最後まで回すと唯一、作物を生育停止域まで運びました。逆に、独立採点で最低点だった先読み制御が、全指標で最良でした。
本講演では、この行き詰まりに対して我々が用意した道具 ──「変わりにくさ(慣性)」を主役に置く一本の式 ── を紹介します。そして、果樹の隔年結果、牛の体細胞クローン、そして AlphaFold2 の予測評価という三つの例で、同じ見方がどこまで運べるかをお話しします。数学的に新しいものではありません。新しいのは、領域の違うものを同じ形に翻訳し、効いていて、かつ動かせる一点を名指しにいくという使い方です。

その他
Zoomウェビナーを用いたオンラインでの開催となります.
参加ご希望者は詳細webに記載されているリンク先より事前登録をお願いします.

参加費

無料です

お問い合わせ先

氏名:降籏 大介
Eメール:daisuke.furihata.cmc__AT__osaka-u.ac.jp

詳細web

https://www-mmds.sigmath.es.osaka-u.ac.jp/structure/activity/ai_data.php?id=116