MIMS 第5回トポロジーとその応用融合研究セミナー
- 投稿者
- 俣野 博(明治大学先端数理科学インスティテュート)
- 日程
- 2022年 1月27日(木)
- 会場
- Zoom Webinarによるオンライン開催
- 概要
- 「トポロジーの工学・生命科学への応用に関する融合研究プロジェクト」定期セミナー
講演者
金 英子氏 (大阪大学)
タイトル
組ひも群の応用: 平面2n体問題の周期解と黄金比の仲間たち
Abstract
平面のn点周期運動を考えます。もしも点同士が互いに衝突しない運動であれば、n点の軌跡を考えることによってn 本の組ひもが定まります。このようにして得られる組ひも(実際は組ひも型)を用いると、多体問題の周期解を分類することができます。
一般に組ひもは 3つのタイプ (周期的、可約、擬アノソフ)に分類されます。組ひもが擬アノソフの場合、拡大率(stretch factor) > 1 が定まり、これは組ひもの複雑さを表す不変量となります。
全ての組ひも型は平面多体問題の周期軌道で実現できるか? これは R. Montgomery の問題ですが、あまり研究が進んでいません。どのような擬アノソフ拡大率が平面多体問題の擬アノソフ型の周期軌道で実現できるか? という問は関連する問題として挙げられます。
Chenciner-Montgomery による平面3体問題の8の字解から得られる組ひもは擬アノソフであり、その拡大率は黄金比 (1番目の金属比)で表せます。
この講演では2006年に柴山允瑠 氏によって証明された2n体問題の周期軌道の族について紹介します。柴山氏の族の周期軌道には対称性があり、これを用いて周期軌道から定まる組ひも型は擬アノソフであることが示せます。さらにその拡大率は金属比で表すことができます。金属比、3本の組ひも、2n体問題の周期軌道の族の相互関係が興味深いと思っています。
この研究は、梶原唯加 氏 (京都大学) ・柴山允瑠 氏 (京都大学) との共同研究に基づいています。
参加登録
事前登録制です。詳細につきましては、下記詳細 web をご参照ください。
お問い合わせ先
明治大学先端数理科学インスティテュート
e-mail mims__AT__mics.meiji.ac.jp
詳細web
http://www.mims.meiji.ac.jp/seminars/Topology/index.html#005