研究部会だより

「科学技術計算と数値解析」研究部会の活動状況

2022年02月10日

降籏 大介

ふりはた だいすけ

大阪大学

はじめに

この「科学技術計算と数値解析」研究部会(“Scientific Computation and Numerical Analysis” activity group)は,2005年春に研究部会制度が発足した当初から存在する研究部会で,加古孝先生(電気通信大学(当時),故人,2021年3月逝去)がこれを設立された.
その設立趣旨によると理念として

科学技術計算は,コンピュータの急速な発達に伴って,これからの人類の活動のあらゆる側面で重要な役割を果たし続けていくと考えられる.特に,未知の現象の「予測」と新たな工学的対象の「設計」と「制御」は「科学技術計算」が取り扱うべき中心的な課題であり,適切な「数理モデル」を出発点とする,正しい「計算アルゴリズム」に基づく「科学技術計算」が求められている. また,計算結果の正しさを検証し,新しい手法を生み出すためには「数値解析」が不可欠な研究課題である

とうたっている.

主査については,当研究部会設立後しばらく加古先生が担当された後,杉原正顯先生(東京大学(当時),故人,2019年1月逝去)が引き継がれ,その後,山本野人先生(電気通信大)が2019年度まで担当された.2020年度より筆者が担当している.

近年の活動状況

本研究部会の活動方針は主に 次の3項目:

  1. インターネットを利用した情報の発信,検索,交換の場の提供
  2. 各種の研究集会やセミナーの開催の支援
  3. 年会その他における,オーガナイズドセッションやチュートリアル,個別課題でのセミナーの組織

などを通して,この分野の研究の発展を促すことを目指すものであり,実際の活動はこれに沿っている.

まず項目 1 については,本文の最後でも触れているように恒常的に web,メーリングリストを通じての情報交換,発信および各種イベントへの参加募集活動を行っている.

項目 2 については,例年は下記のような研究集会等:

  • 京都大学数理解析研究所共同研究集会: 須田礼仁先生(東京大学)主催予定,2020年,2021年ともにコロナ禍の為中止
  • 数値解析シンポジウム (NAS): 2020年,2021年ともにコロナ禍の為中止
  • 数値解析セミナー (UTNAS): 2020年 7回開催,2021年 7回開催(現時点)
  • East Asia SIAM Conference: 2020年 コロナ禍の為中止,2021年11月に小規模オンライン開催

などを支援しているのであるが,コロナ禍において2020年,2021年は開催中止となったものも多くその点は残念であった.

項目 3 についてはオンライン開催にて下記のように活動を行うことができた.

  • 年会オーガナイズドセッション: 日本応用理学会の年会にてオーガナイズドセッションを 2020年9月(4セッション,15講演),2021年9月(4セッション,16講演)という形で当研究部会が主催した.
  • 研究部会連合発表会: 日本応用数理学会の研究部会によるオーガナイズドセッションを同時に行う会であり,当研究部会は 2021年3月(4セッション,16講演)を主催した.2022年3月の開催も準備中である.
  • 三部会連携「応用数理セミナー」: 「行列・固有値問題の解法とその応用」,「計算の品質」に加え当研究部会の三部会が連携して実施するセミナーである.2020年12月にオンライン開催した.2021年12月下旬の開催も予定している.

参考資料等

最後に,当研究部会についての資料等を挙げておきたい.

まず,Jsiam Online Magazine (JOM) 2014年9月の研究部会だよりに『「科学技術計算と数値解析」研究部会とUTNAS』として齊藤宣一先生(東京大学)が当研究部会と東大数値解析セミナー(UTNAS)の幅広い活動について記事を書かれている.

そして,JOM 2018年10月の研究部会だよりに『「科学技術計算と数値解析」研究部会とつらつら惟ること』として先の主査である山本野人先生(電気通信大学)がこの研究部会のあるべき姿などについて思うところなどを記事にされている.

また,当研究部会の web http://scna.jsiam.org にて活動内容等を掲載するとともに,当研究部会のメーリングリストへの参加勧誘,上に述べたオーガナイズドセッション等のイベントへの参加募集等を行っている.興味を持たれた方はぜひメーリングリストにご登録いただき,情報交換を盛り上げていただければ幸甚である.