研究部会だより

「数理政治学」研究部会の紹介

2019年06月07日

一森 哲男

いちもり てつお

大阪工業大学情報科学部情報システム学科

数理政治学そのものについては,2014年12月15日公開の記事[1]を参照ください.2018年度より幹事が筑波大学の岸本先生から静岡大学の中川先生に替わっています.前回の記事執筆以降からも,以前同様の活動を継続しています.つまり,夏の年会と春の研究部会連合発表会には毎回参加しています.部会独自の研究部会は,主査の大山達雄先生のおられる政策研究大学院大学(六本木)で開催することが多いですが,幹事交代の関係もあり,最近は静岡大学の静岡キャンパスと浜松キャンパスの両方で部会を開催しました.

2016年12月9日(金)と10日(土)の両日には,統計数理研究所の数学協働プログラム:研究集会「数理的手法と理論に基づく計量的政治分析に関するワークショップ」を担当しました.その詳細およびプロシーディングスは[2]をご覧ください.2日目にはニューハンプシャー州にあるダートマス大学の堀内勇作先生から,アメリカの大学授業の紹介などを拝聴しました.

我々の研究部会の活動はホームページで公開しています.また,部会の案内はメーリングリストを通して発信していますので,興味のある方は是非,幹事までご連絡下さい.一般に1件の発表時間は長くとっていますので,年会等の口頭発表のように時間制限を気にする必要がありません.十分な議論ができるはずです.以下に,最近の発表テーマをいくつか列挙いたします.ご参考までにご覧ください.

  • 空間競争モデルにおける非対称情報
  • 所得平等化政策に関する選好の計測と分析
  • Identifying Voters’ Multidimensional Preferences via Conjoint Experiments
  • Apportionment behind the Veil of Ignorance
  • Investigating the Japanese Election System through Recent National Elections
  • いくつかの国でのアダムズ方式の配分結果
  • 原理党を含む展開系ゲームの部分ゲーム完全均衡解の解析的記述:3政党の場合
  • 同盟における防衛義務の片務性と抑止の実効性に関する分析
  • 投票区再画定と投票所再配置のデザインに向けた取り組み
  • 災害レジリエンスを備えた社会/情報システムのデザインおよび社会実装ついて─2020年に向けて大規模災害に対応した日本を作るための社会技術の提案─
  • サービス工学からみた観光プランニングサービスとその社会展開
  • 空間的投票理論における政党認識誤差の影響
  • 国連総会投票データへのモジュラリティ最大化コミュニティ検出法の適用
  • 緩和除数方式による議員定数配分の偏りについて
  • Quantitative Data Analysis on Recent Elections in Japan
  • 我が国国政選挙の社会経済分類による計量分析
  • Recent Elections Analyses in Japan: Vote-share and Seat-share, Pass-vote and Fail-vote
  • A Model of Referendum
  • 議席配分方式の偏りを測る3つの尺度の比較
  • 集団的自衛権の戦略的帰結に関する研究
  • 選挙分析における効果的な地域分割の検討
  • 棄権を許す空間的投票モデルでの政党政策位置の分離
  • 原理政党存在下での政党の政策位置の解析とその検証 (有権者分布が2峰性の場合)
  • 参議院議員選挙制度における選挙区の定数是正について
  • 原理党を含む展開系ゲームの部分ゲーム完全均衡解の解析的記述
  • アダムズ方式は人口比例配分を実現するのか
  • Investigating the Japanese Election System through Recent National Elections
  • 政党の獲得議席率と得票率の関数による近似
  • 空間的投票理論のε均衡について
  • 取り分と配分議席数の関係
  • 定数配分法で見る並立制での公平性
  • 現実党と原理党の混在する空間的投票理論についての一考察
  • 議員定数配分問題の解決
  • ビットコインのブロックチェーンの動作原理と評価切り口のオープンクェッション
  • Civic Education and Naive Voters
  • 議席配分問題―整数取り分と配分議席数の関係

[1] https://jsiam.org/online_magazine/news_presentations/3504/

[2] http://coop-math.ism.ac.jp/report/show/2016W06