学術会合報告
EASIAM2018 参加報告
2018年09月04日
佐藤 峻
さとう しゅん
東京大学大学院情報理工学系研究科
2018年6月22日から25日までの4日間 (実際の内容は3日間) にわたって13th SIAM East Asian Section Conference 2018 (EASIAM2018)が東京大学本郷キャンパスで開催された.この会議は,SIAMの東・東南アジアセクションであるEASIAMが毎年開催している応用数学の国際会議である.著者がEASIAMに参加するのは2年前にマカオで開催されたEASIAM2016と合わせて2回目であるが,今回は指導教員である松尾宇泰先生がChairを務めたこともあり,Local Organizing Committeeの末席に加えて頂いての参加であった.EASIAMは色々な事情により規模が毎年大きく変動するが,今年は1件の基調講演と6件の招待講演を含む100件以上の講演があり,参加者も150名以上と比較的盛況であった.
150名を超える参加者を迎え入れるにあたり,Chairの松尾先生とCo-chairの田中健一郎先生の指揮の下で入念な事前準備を行なった.その中で,普段はあまり意識していなかったものの,本郷キャンパスには海外から訪問する方にとって親切では無い部分がたくさんあることを痛感した.例えば,メインの会場となった工学部6号舘の正面には「工学部第六号館」と書いてあるのみであり,日本語(もしくは中国語)を解さない人には現地で建物の名前が判断できない.その他にも日本語が読めることを前提とした案内表示が多くある.
上記の件を含めて何度も事前の打合せをし,懸案事項とその対策を想定したものの,当日になってみるといくつかのトラブルは免れ得なかった.中でも私が最も肝を冷やしたのは,Martin Golubitsky先生による基調講演の最中のマイクトラブルである.事前にマイクのチェックは行なっていたものの,途中で電池が切れてしまったり,ハウリングが起きてしまったりと,講演者・聴講者の皆様に多大なご迷惑をおかけしたことは今でも悔やまれる.そんな中でも何とか乗り切ることができたのは,Golubitsky先生の優しい対応や聴講されていた先生方のご助力のお陰だと思う.
会議期間中においては,参加者が非常に協力的であったことが印象に残っている.上記のマイクトラブルの際の対応もその一例であるが,プログラムにも目立った遅延は起こらず,その他の部分でも大きな問題なく会議を終えることができたのは国内外の先生方のご助力の賜物である.特に,大阪から駆けつけて受付などを手伝ってくださった降籏大介先生と宮武勇登先生のご尽力なくしては無事に終えることはできなかったと思う.
今回のEASIAM2018は,著者にとっては初めて運営に参加した研究集会であり,とても良い経験になった.ご迷惑をおかけする場面の方が多かったであろう著者を導いてくださったLocal Organizing Comitteeの先生方にこの場を借りて御礼を申し上げたい.また,会議期間中にたくさんの先生方に「ご苦労様」と声をかけて頂いたことも大変ありがたかった.
前回参加したEASIAM2016では初参加ということもあり緊張しており,今回は運営関係で走り回っていたため,未だEASIAMの雰囲気をしっかりと落ちついて味わうことはできていないように思う.次回以降のEASIAMにも,また異なる気持ちで積極的に参加したい.