学術会合報告
SIAM Conference on Analysis of Partial Differential Equations (PD22)
2022年09月17日
谷口 雅治
たにぐち まさはる
岡山大学 異分野基礎科学研究所
この研究集会は 2022 年 3 月 14 日(月)から 18 日(金)までオンライン上で開催された。元はドイツの首都ベルリンで対面開催される予定であったが新型コロナウイルス感染症対策のため,Zoom をもちいて講演・聴講する形式がとられた。私はこの研究集会に出席・講演したのでその様子を報告する。
この研究集会はそのホームページによると “SIAM Activity Group on Analysis of Partial Differential Equations”がドイツの GAMM (Gesellschaft für Angewandte Mathematik und Mechanik) と共同開催するとなっている。研究集会の時間は,ベルリンの時刻ではなく,米国 Eastern Time (UTC-4) の時刻で行われた。研究集会期間において米国ではサマータイムが実施されており,日本時間との時差は 13 時間であった。
招待基調講演者は8名であった。J. Carrillo氏 (United Kingdom),M. Colombo氏 (Switzerland),A.-L. Dalibard 氏 (France),儀我美一氏(日本),J. Lowengrub 氏(米国),E. Malinnikova 氏(米国),J. Shatah 氏(米国),E. Sonnendr¨ucker 氏(ドイツ)である。その45分の講演が毎日午前 8 時からと午前 11 時 10 分から行われた。ミニシンポジウム “Minisymposia”が 106 個あり,午前 9 時からと正午からパラレルセッションの形で開催された。全参加者数を私は知らないが,参加者リストに 20 名以上の日本人参加者が確認でき,全参加者数は千人を下らないと思われる。非常に大規模な研究集会である。3 月 14 日(月)と 3 月17 日(木)にはポスターセッションが開催された。私はミニシンポジウム MS17 “Frontiers in Pattern Formations and Wave Propagations for Reaction Diffusion Equations”で一般講演をおこなった。
研究集会のホームページにおいて “Access the Virtual Platform” をクリックすると,広い研究集会会場をイメージした画面が現れ,Auditorium (講義室)をクリックすると基調講演会場やミニシンポジウム会場のリストが表示される。それをクリックすると講演を聴講することができた。
上述のように日本時間との時差は 13 時間であった。プログラムにおいて午前 9 時開始と記載された講演が,日本時間でいったい何時から行われるのかが私には疑問であった。答えは午後 10 時からである。2022 年において米国でサマータイムに切り替えが行われたのは3 月 13 日(日)すなわち研究集会初日の前日である。混乱したのは私だけではないかもしれない。
ミニシンポジウム MS17 における私の 25 分講演は日本時間の 3 月 15 日(火)の午後 10時から行われた。私のパソコンにおいて,Zoom のためのビデオとスピーカーは正しく設定がなされていたが,マイクの設定に問題があったため,講演の直前にこちらの音声が会場に伝わっていないことが分かった。いったん会場から退出しマイク設定を直してから再び会場にログインしたところ,私の手違いで別の会場に入ってしまったらしく “You are entering a wrong room!” と指摘されてしまった。「すみません。会場を間違えました。」と述べて退出し,ミニシンポジウム MS17 会場にログインしたところ,マイクも正常に動作して講演を始めることができた。講演は無事に終わったが夜中に大汗をかいてしまった。Zoom の場合は「新規ミーティング」を自分一人で立ち上げてオーディオ(ビデオ,スピーカー,マイク)が正常に動作するかどうかを事前に確認しておかなければならないと思った。そうすれば夜中に大汗をかかなくて済むと思われる。最後に,この研究集会主催に携わった方々の多大なご努力に感謝を申し上げてこの会合報告を終える。