学術会合報告

応用数理学会2022年度年会 参加報告

2023年02月08日

梶原 唯加

かじはら ゆいか

京都大学

 みなさま,はじめまして.京都大学大学院情報学研究科博士3年の梶原唯加と申します.2022年9月8日〜9月10日の3日間,日本応用数理学会年会がセミ・ハイブリッド形式にて開催されました.参加者の一人として,こちらに参加報告書を記させていただきます.

 応用数理学会2022年度年会は,もともと公式のホームページにて対面開催とアナウンスされていましたが,新型コロナウイルスの感染状況をふまえ開催直前にセミ・ハイブリッド形式に変更になりました.運営に携わった方々はいつも以上に準備が大変だったことと思うのですが,各サテライト会場のスタッフの皆様の進行がたいへんスムーズで,またホームページにあるタイムテーブルもとてもわかりやすく,快適に学会に参加することができました.この場を借りて,スタッフ・関係者の皆様に心より御礼申し上げます.

 さて,私は3日目の応用力学系のセッションで発表させていただきましたので,まずはそちらのセッションの感想を述べたいと思います.応用力学系は国外からのオンライン講演を含め,計12講演がありました.正直なところ私自身は普段は変分法を用いた研究に力点を置いていて,自身の研究の応用面を意識することはあまりないのですが,今回,応用力学系のセッションに参加させていただき,実際に「応用」の側面がわかりやすい研究発表があり面白かったです.力学系と機械学習の手法を組み合わせた研究に関する発表がいくつかあって,それらの質疑応答の時間が特に盛り上がっていた印象です.また医学系の研究がご専門の方の講演もあり,力学系と他分野とが融合した研究が多く見られました. 

 また,自分の専門分野とは異なるのですが,1日目の折紙工学のセッションがとても興味を惹かれました.折紙については,日頃から自分で作品を作って研究する,といったことは全くしたことがないのですが,学部生の頃から折紙サークルに所属している友人の超大作を学祭の度に見せてもらうのが毎年の小さな楽しみだったこともあって,折紙は「漠然と好き」なもののひとつです.また,京都大学で定期的に開催されている力学系セミナーに少し前に折紙工学がご専門の方がとても印象深い講演されていました.そういった背景も相まって,1日目の折紙工学はプログラムを見たときから聴講しようと思っていたのですが,小さい頃から慣れ親しんだ折紙がこうした研究の世界の対象物となり,折紙の絵や図と,数式とが並んでいる姿は私にはとても新鮮に感じられました.

 それと,全体を通じて思ったことをひとつ.これは今回の年会に限ったことではないのですが,こういったオンライン/ハイブリッド形式の学会に参加する度に,やっぱり対面が私は一番好きだなあと思ってしまいます.もちろん私が知らないところで,私の知らないすごい人たちがたくさん便利なものを作ってくれたおかげで,こうしたさまざまなオンライン/ハイブリッド形式の学会や研究会に参加できるわけなんですが,やっぱり対面での研究会が一番楽しいなあと思います.

 そんな私のひとりごとはこれくらいにして,今年度は残念ながら完全対面開催はできませんでしたが,次回開催の際は対面での開催が実現できることを願って,結びの言葉とさせていただきます.最後までお読みいただきありがとうございました.